コーヒーの品種は、主にアラビカ種(Coffea arabica)とロブスタ種(Coffea canephora)の2つが一般的に知られています。これらは世界中で栽培されている主要なコーヒーの種類です。
1. アラビカ種(Coffea arabica):
アラビカ種は高品質で風味豊かなコーヒーを生産することで知られています。一般的に「アラビカコーヒー」として知られることが多いです。アラビカ種のコーヒープラントは高地に適しており、標高の高い山岳地帯で栽培されることが多いです。そのため、コーヒー産地として有名なエチオピア、ケニア、コロンビア、コスタリカなどでよく見られます。
2. ロブスタ種(Coffea canephora):
ロブスタ種はアラビカ種に比べてより強い風味と苦味を持っています。また、アラビカ種よりも栽培が容易で、病気や害虫に対して比較的強い耐性を持っています。ロブスタ種のコーヒープラントは低地に適しており、ブラジル、ベトナム、インドネシアなどのコーヒー生産国でよく栽培されています。
これらの2つの主要な品種のほかにも、コーヒーの品種は多様で、地域や栽培条件によってさまざまな特性を持った品種が存在します。アラビカ種やカネフォラ種から派生したコーヒーは多くあり、驚くことにその数は200種類以上と言われています。生産地域の違いや加工方法によっても、コーヒーの風味に多くのバリエーションが生まれることがあります。
今まで当店で扱ったことのある品種の一例をあげておきます。
■チィピカ(Typica)
コーヒーの品種の一つで、コーヒーの原点的な品種として知られています。エチオピア原産で、繊細で芳醇な香りとフルーティーな
味が特徴です。高地の涼しい気候に適しており、多くのコーヒーのサブ品種が派生しています。伝統的な品種として、味や品質を重
視するコーヒー生産者によって今でも大切にされています。
■ブルボン(burubon)
1. 起源: フランス領のレユニオン島で18世紀に生まれました。
2. 味わい: フルーティで芳醇な味わいで、穏やかな酸味と滑らかな口当たりが特徴です。
3. 栽培: 高標高の地域でよく栽培され、中南米やアフリカで見られます。
4. 豆の形と木の特徴: 豆は平らで特徴的な形状をしており、木は小さく葉と果実が密に配置されています。
5. 病害虫に対する耐性: 他の一部の品種に比べて病害虫に対する抵抗力はやや低いですが、高品質なコーヒーを提供します。
ブルボンは、コーヒー産地や愛好家にとって非常に人気のある品種です。
■ゲイシャ(Geisha)
パナマのボリベア地域で生まれた希少な高品質なコーヒー豆の品種です。
花のような香りやジャスミンやベリーのニュアンスが特徴的な独特な味わいがあり、コーヒーコンペティションなどで高く評価され
ます。栽培には手間暇がかかり、高山地帯で涼しい気候と高い標高が必要です。その希少性と高品質から、一般的なコーヒーよりも
高価で取引されることが多いです。コーヒー愛好家にとって特別な体験を提供する品種です。
■カスティーヨ(Castillo)
コロンビアで開発されたコーヒー豆の品種です。この品種は、コーヒーの病気に対する耐性が強いとして知られています。
上質な味わいと豊かな香りも特徴的です。コロンビアだけでなく、他のラテンアメリカの地域でも人気のある品種です。
■カチャイ(Catuai)
ブラジルで生まれたアラビカ種とロブスタ種の交配品種です。
小柄な樹形で収穫が容易であり、フルーティーで甘い風味が特徴です。
特にブラジルを中心にコーヒー生産地で広く栽培されています。
■カティモール(Catimor)
ベトナムで1970年代に開発されました。特筆すべき特徴は、病害虫に対する高い抵抗性と高収量です。これにより、農家はより安定した収穫を期待でき
ます。ただし、味に関しては、一部の人からはアラビカ種よりも劣ると評価されることもあります。そのため、好みには個人差があります。
Catimorの交配を基にしてさらに多くの品種が生まれており、それらもさまざまな地域で栽培されています。
■マラゴジッペ(Malagasy)
マダガスカル共和国(マダガスカル島)で栽培される特別なコーヒー豆の品種です。
アラビカ種の一種であり、フルーティで柔らかな口当たりが特徴的です。
マダガスカルの特有な気候と土壌が、豆の風味に影響を与えています。コーヒー愛好家には人気のある品種で、個性的な味わいを楽しむことができます。
■SL34
アラビカ種のコーヒー豆で、フルーティで華やかな香りと鮮やかな酸味が特徴的です。ケニアの高地地域でよく栽培されています。
ただし、病気にはやや弱いため、適切な管理が必要です。高地の栽培地域で栽培されることが多く、世界中のコーヒー愛好家に愛されています。